今回の主役の彼、通称ネコ先輩。
4月25日、シーズン42日目の滑走は月山バックカントリーでした。
腰の痛みが和らぎつつもまだ痛みはある。
前日にメンバーから「去年と同じ最短ルートの工程だから大丈夫でしょ!」って。
8時過ぎに待ち合わせ場所のデポスペースに到着。
そして別の車でスキー場の駐車場へ。
今回の集まったメンバーは全員で4人。
しかもみんな閖上の同級生。
子供の頃からの幼なじみで気遣い一切無しの間柄。
今回もコース取りの都合上リフトを使わずにハイクアップスタートです。
いつもはコース中腹部分が必ず大きく割れてくるんですが、今回は入っていないようです。
コースのボトムも綺麗。
ゲレンデ回しでも楽しめそうです。
広々としたメローな斜面。
雪はだいぶ良さそう!
期待しちゃいます。
1ピッチ目の滑り出しまでの登りはあっという間。
長くはありません。
滑走モードに切り替えます。
今回は急登の斜面が多々あるということでみんなはスノーシューを選択し、スプリットは自分だけ。
なかなか走ります。
右側の藪の中へ滑り降りていきます。
藪を滑り進むと今回のメインの東斜面がドーンと。
斜面は緩み始めたところ。
斜度もあり面も綺麗です。
さぁ行ってみましょう。
一番手は少し煽られ気味にネコ先輩。
1ターン目のトーサイドで加速していきます。
この後ヒールに切り替えて...
切り替えた直後です。
「ドーン!」
なんと立木に衝突。
「なんで?」
控えていた3人で顔を見合わせて爆笑。
誰も居ない森の中に笑い声が響き渡る。
「おいおい、大丈夫かよ~」
なんだか様子がおかしい。
「大丈夫かー?」
しばらく待っても無反応のまま。
「ほんとにヤバいんじゃね?」
急いで近寄っていくと少し青ざめた顔で苦しんでいる様子。
どうやらアバラのようです。
大したことなどないだろうとみんなで馬鹿にして騒いでいましたが、一向に良くなる気配がない。
しかも動けないまま。
完全にイっちゃったみたいです。
しばらくの間様子を見ましたが滑走を続行することは不可能と判断。
はい、終了。
登り返すことも不可能ならば...と悪い予感も頭をよぎります。
1時間弱は休みました。
なんとか登り返すことが出来そうだと言うことで、スプリットだった自分がネコ先輩のボードをザックに背負い急登を戻ります。
「俺だって腰が痛いのに...」などとは一切文句も言わず(たぶん)友達想いのナイスガイです。
登り返す途中、とてつもなく気持ちよさそうな斜面を発見!
斜度、幅、地形、パーフェクトです。
しかも湯殿山の登り出しに丁度いい場所まで滑り降りれそう。
でも今日はお預けです。
なんとか登り切りまして戻ってきました。
この最後の斜面だけでもと気持ちよく滑りました。
車に戻ってからは優しく湿布を貼ってあげる姿がほほえましい?
「おい!ちくびに貼ってんじゃねーよ!」
いつまでも中学生みたいなアラフィフです。
帰りは時間があるもんだから少し足を延ばして寒河江まで。
「そば処 ひふみ」です。
山形に来たら冷たい肉そばを食わずして帰れるものかと。
美味過ぎです。
管理されているスキー場とは違い、バックカントリーでは些細な判断ミスが命取りになることも。
アバランチギアなどの装備はもちろんのこと山岳保険も必須です。
ヘリの要請...なんてことにならなくて本当に良かった。
今回は上半身だったからまだ不幸中の幸い、もし下半身だったら…、歩行も困難な怪我だったら…、そう思うとゾッとします。
改めて気を引き締め行動しなければいけません。