TERJE HAAKONSEN(テリエ・ハーカンセン)。
1970年ノルウェー生まれで、BURTON SNOWBOARD(バートンスノーボード)のレジェンド。
そのテリエのシグネーチャームービーが発売されたのが確か1996年頃でした。
スノーボードムービーで初めてのシグネーチャー作品。
発売当時、VHSテープとノベルティーでマグカップがあったように記憶しています。
彼のライディングスタイルは一度見たら忘れられないほどスムーズ&ビッグです。
そしてジャンプ、パイプ、クリフ、パウダー、その全てがスタイリッシュです。
特にパイプでのボトムの滑りが印象的。
とにかく姿勢が低く、ブレない安定したライディング。
だからこそあの高さが出せるんでしょう。
テリエのスタンスはレギュラースタンスで、進行方向に向いたバインディングアングルは21度&6度。
完全ディレクショナルシェイプでスイッチライディングもフォワードと全くと言って良いほど変わらない。
このスタイルです!
昔も今も根底にある理想形。
技術の高さ、誤魔化しが効かないこのスタイルこそカッコイイ。
「ディレクショナルのボードってスイッチスタンスの時、滑りずらいんですよね?」
店頭で接客しているとよく耳にします。
ハイレベルな技術をお持ちのスノーボーダーなら確かにそうかもしれません。
ジャンプではスイッチエントリーからのスピントリック。
おまけにランディングもスイッチ?
こんな方なら間違いなくツインチップのシェイプが良いでしょう。
しかし一般的なスノーボーダー(少なからず自分)は、スイッチになること自体ほとんどありません。
全く無いわけではありませんが、一日の滑走の内どれぐらいでしょう?
滑走時間の半分の時間?
いや、1時間?
いやいや、30分間?
15分間...
もしかしたらもっと少ないかもしれません。
なのにその僅かな時間のためにツインチップにだけ執着してしまう。
さらに言えば、結局は技術的要素が最重要なわけです(少し乱暴で極論ですが)。
ツインチップのボードに乗ればスイッチスタンスでの滑走が上手くなるわけではありません。
なんでもそうですが技術の習得が必要不可欠なのです。
こんな経験はありませんか?
スノーボードを始めたての頃、直滑降は後傾になりターンもなかなか出来ない自分。
「レギュラーでバインを取り付けたけれども、もしかしてグーフィーなんじゃないか...」
スタンスが逆なのでは?だから滑れないのかも?と。
そんなことが頭をよぎります。
不慣れであれば滑りづらいに決まってますし、慣れるまでには時間がかかるものなのです。
つまりディレクショナルシェイプだからスイッチスタンスが著しく滑りにくいということも無いのです。
そう考えるとテリエの凄さが際立ちます。
あれだけスイッチでの滑走が多いのに、ディレクショナルシェイプのボード。
明らかにノーズがテールより長いし、フォワードに向いたバインのアングル...。
真のカッコ良さを感じるのは自分だけでしょうか。
とは言え、スノーボードのスタイルは自由です。
憧れや目的も人それぞれでOKなのです。
ちなみに自分も140CM代のドツインのボードに乗って超ダックスタンスの時代もありました。笑
ここ最近は27度&6度に落ち着いておりますが。
数年前、仙台での試写会でテリエとの写真。
二人ともカメラ目線じゃないのはご愛嬌ということで。