先日の八方バックカントリーでのことです。
まず開けた北斜面を少し滑り降り、そこから尾根に登り返す。
尾根を再度登り南斜面へドロップするルートでした。
計画通りに滑れたのですが...
北斜面を滑り登り返すポイント付近に数人の人だかり。
あそこは標高2.060Mぐらいでしょうか。
何かトラブルがあったようです。
もしかしたら怪我人か。
どうやら我々がドロップした場所とほぼ一緒の斜面を、数分前に滑り降りっていった男女二人組。
男性はスノーボード、女性はスキー。
その内の女性スキーヤーの女性が転倒して動けなくなっていたようです。
滑り降りてくるとボトム前は少しノール気味。
前方の見通しが悪い。
さらにボトム部分には少しだけ吹き溜まり。
きっとノーズが刺さってしまって転倒したのではないかと...。
尾根まで登り返そうとしていた数名の方々が救助しようと近づいて救助要請の電話をしているようでした。
途中、女性の悲鳴のような声が聞こえてきます。
「きっとそうとう痛いんだろうなぁ...」
「何か手伝えることはないだろうか...」
声もかけれないまま遠巻きに眺めるばかりでした。
後ろめたい気持ちが多少ありましたがエキスパートであろう方々が救助要請をしていたようなのでお任せし我々は先を急ぐことにしました。
「きっとヘリじゃないと無理だろう...」
「救助の際のヘリの費用はおいくら...??」
そんなことを考えながら15分ほどで尾根に登り返せます。
きちんとした装備があり、技術があり、知識があり、それでも怪我の可能性がある。
もしかしたら雪崩に遭うかも。
道迷い、滑落、病気の場合だってあるかもしれません。
バックカントリーを楽しむということはじゅうぶん注意しなければいけません。
危険を伴うので必ず保険に入っておきましょう。
僕自身もコレ入ってます。
BC装備とセットで保険もマストです。
標高2.100Mから1.700Mまで滑り切り振り向くとこの景色!
ここまででまだ半分!
もう「宇宙」ってぐらいの規模感の斜面を中腹まで滑り、余韻に浸りながら休憩していると長野県警のヘリが飛んできました。
現場周辺の上空で何度か旋回していたのを確認出来ました。
きっと無事に救助が済んだことでしょう。
身の引き締まる思いを胸に後半戦を滑り切りました。