2020年も残すところ1週間。
いつもなら年が明けてから本格的なシーズンがスタートするのが常でしたが、今年においてはだいぶ違いますね。
幸先良いスタートが切れこれから訪れるハイシーズンが楽しみで仕方がありません。
一方、積雪が原因で一部の地域では災害級の被害が出ているところもあります。
やはり自然の猛威に人は無力です。
年末には今回以上の強い寒波がやってくるらしいです。
スキー場は雪で潤いますが、他の天災と違い長時間その場に残るために降っている時以上に降った後も様々な災害を引き起こします。
交通障害や停電にも備え年末を迎えましょう。
怪我をする前のシーズンの写真。
宮城蔵王の残雪での1枚。
右膝の前十字靭帯の断裂と半月板損傷。
過去に膝の手術を4度経験しております。
1回目の経験、あれは26歳の春、4月1日だったかと思います。
山形蔵王温泉スキー場で怪我をしました。
当時からお店で繋がったお客様や地元の友人など皆で滑る機会を設けスノーボードを楽しんでいました。
この時も十数人でワイワイと。
ゲレンデを滑り降りる視界に小さめのキッカーが見えてきて。
そのままの流れでチョロッと飛んでみた。
それまでにも何度か膝を痛めてましたが過去の損傷したのが蓄積したことでトドメを食らったのでしょう。
ジャンプの着地で膝から崩れるように転倒。
今考えてみればその時には既に前十字靭帯は切れていて筋力では支えきれなかったようです。
全く動けずにそのまま担架。
少しでも動かせば膝に激痛が走る。
自分の車の後部座席をフルフラットにし友人の運転でスキー場近くの大きめの病院へ。
病院の処置室で麻酔を膝に3本打ち込んでも痛みが変わらない。
どうやら転倒時に必要以上に膝が曲がりそのはずみで半月板が膝関節に挟まってしまって膝がロックして動かない。
「ロッキング現象」と言い、もうこうなると激痛で歩行も困難です。
先生らは挟まった半月板を外したいけど麻酔も効かない。
病院中に悲鳴が響き渡ったんじゃないでしょうか。
らちが明かないからこのまま帰るしかないって。
地元の大きな病院で診てもらわないと無理とのこと。
翌日、友人にお願いして病院に。
MRI設備がある病院じゃないとって紹介状を持って更にそのまま近くの病院へ。
「すぐに手術だね。明日、入院できる?」と。
「え?手術?」
人生において手術の経験が無かったのでびっくり。
「半月板の損傷は間違いないし、靭帯も切れてるね。」と軽く言われ、とりあえず内視鏡を入れて診てみない事にはわからないって。
翌日にはすぐ入院ですよ。
入院後は手術出来るかどうか説明を受けたり血液検査をしたり。
整形外科の病棟の看護師が「こんにちは」って笑顔で声を掛けてきてくれました。
自分のことを知ってる風な感じだけど...。
どうやら地元の小中が同じで学年は少し下。
しかも住まいも超近所のようです。
この入院した病院は自宅から車でわずか20分ほど。
地元の後輩にあたる看護師がいても不思議ではありません。
でもなんだか恥ずかしいような。
その後の手術室で、辱めに合うことになるとはこの時は考えもしませんでした。
翌日に手術を控え段々と不安が募っていきます。
一番不安なのが腰への麻酔の注射。
これが怖い。
注射というだけで嫌なのにそれを腰に打つなんてどれほど痛いのだろうかと。
麻酔医が病室に来て麻酔をする流れを説明をしてくれます。
患者の不安を取り除くために詳しく説明をしてくれますが、聞けば聞くほど怖くなります。
不安増し増しで頭の中が麻酔のことでいっぱいです。
病院から逃げ出すことなく無事に翌朝を病室で迎え、手術着になり手術室まで車椅子で押され向かいます。
手術室に入ると...
そこはテレビで観る医療ドラマのよう。
でもそこには「救命病棟24時」の江口洋介(古い!)や「ドクターX」の米倉涼子もいません。
そんなことよりとにかく腰への注射が怖くて不安でしかない。
麻酔医がこちらを見て微笑みます。
安心してくださいねって顔をして。
でもそれも気休めにもなりません。
手術台に乗せられて、真横をになり膝を抱える姿勢を取る。
背中側がまったく見えない状態の中で準備を進める音がやけに響いて緊張が増します。
消毒するためにアルコールで濡れたガーゼが背中に触れるだけで、注射針が触れたのではないかとビビッて体が揺れてしまいます。笑
「はい、じゃあちょっと痛いですよ~」
「我慢してくださいね~」って。
身構えるあの時、緊張感がヤバイ!
そしてその直後のチクっていう痛み。
からの麻酔薬が注入されてくればかなりの鈍痛。
思わず声が漏れます。
「あ゛ぁぁ」
腰への注射、人生で3度も経験してますが本当に辛い。
鈍痛の後に下半身全体がジワジワと熱くなる。
横向きだった体は真上を向かされ、上半身と下半身の間には間仕切りが立てられました。
指先まで下半身の感覚はありません。
この時には既に手術着は脱がされていたはず。
手術の担当医が感覚の無い自分の足をグルグルと回し、麻酔薬を循環させているように思えました。
チンコが丸出しなんだろうなぁ...と思いながらもこれから始まる手術への不安を感じていたところに...!
「あれ?お久しぶりです!」
「カルテを見てそうかなぁって思っていたんですよ~!」
手術室に似つかわしくない声色が。
それは上半身と下半身の間に設けられた間仕切りの奥から聞こえてきた。
相手は地元が一緒の後輩の女子(病棟で会った後輩とはまた別の)!
手術室担当の看護師とのこと。
間仕切り越しに会話が続きます。
「スノボでですか?大変ですね~」
「あ、うん...」
あのぉ~俺のチンコ丸見えだよね?(心の中で叫びましたよ)
この状況で世間話は勘弁してくれっ!
今となっては気にしませんが(今でも気にしろよ!)26歳の純粋無垢な青少年。
地元の後輩の女子に下半身丸出しの姿でチンコ丸出しをさらけ出してしまって婿に行けない!と思ってなんかいませんが恥ずかしさ極まりない26の春でした。
半月板の損傷部分を一部切除し、同時に前十字靭帯の状況を確認、次回には再建(移植)手術に備えることになったのです。
くれぐれも怪我の無いようにスノーボードを楽しんで行きましょう。